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レイファード 
−序章・漆黒の魔剣士編−
その日、俺は一年前の事件からゼクファーの人格の急な変化は疑問に感じていた…
あのエルトナという女性をゼクファーが救出してから…何かが変だ…と、

 その時、俺が入隊している特殊精鋭部隊「ゼルバード」から連絡が入った。

「<ゼルバード兵>こちら、コード「シュナイド」。聞こえるか?」

「<デュアーノ>ああ、どうした?」

「<シュナイド>ゼクファーがゼルバードに反逆しフェイオル城に攻撃を開始した。直ちにゼクファーを止めてくれ。」

 その言葉を…ゼクファーのその二つの行動を疑った。ゼクファーは一番ゼルバード隊に忠実であった、俺は今までゼクファーとパートナーを組んでいたからなんとなくそれはわかった。それとゼクファーにとってフェイオル城は故郷であるはず。なのに何故…?俺は疑問に感じつつすぐさまフェイオル城へとむかった…

 フェイオル城に向かったとき、フェイオル城は炎につつまれていた。まるで意志のない大量のモンスターがフェイオル城を破壊していく…俺はそのモンスターを倒し、城に取り残されている兵士や住民を救助していった。

 

そして…どのくらい時間がたったのだろう…俺はついに王座からゼクファーを発見した

 「<デュアーノ>ゼクファー…これはいったい…お前はなぜ人を…殺した…」

 「<ゼクファー>ふっ…全ては…お前をおびきだすためのエサ…まあ俺がこのような行動をすればゼルバードの誰かがお前をここにくるように連絡するだろうからな…」

 「<デュアーノ>なんだと…」

 「<ゼクファー>それにな…お前がここで倒したモンスターは全てお前の戦闘データを得るためのクローンモンスター…それにデュアーノを抹殺する時…お前のデータをもとに作った武器を冥土の土産に使ってやろうと思ってなぁ…」

 俺はそれら言葉に怒りを感じていた…それは俺がどうなろうかという事ではなく…それだけの為に関係無い人々を殺したということに怒りを感じていたのだ。

 「<デュアーノ>ゼクファー…きさまぁ!!!」

 俺は魔剣を右腕に持ち、すぐさまゼクファーに攻撃をした…ゼクファーは両刃の剣を持ちすぐさま俺の攻撃を防御した…

 俺とゼクファーはしばらく剣と剣との攻撃が続き…俺が剣でゼクファーをすこし後ろへ弾き飛ばし…その瞬間に魔銃を構え…撃とうとした…だが、魔銃が作動しなかった…

(<デュアーノ>なっ…魔銃が…動かない!?)

 その隙にゼクファーは俺の懐に潜り込み剣を俺の腹に突き刺した。

「<デュアーノ>くっ…かはっ」

 そして…俺は動く事ができなくなっていた、あいつの…力なのだろうか…?

「<ゼクファー>ククククク…さっき言ったよなぁ?冥土の土産にお前の戦闘データを元に作った武器を使ってやると…」

 そう言った後、一つの光線銃を取り出した…

「<ゼクファー>これだ…サテライト・ブラスター…レクイエムがわりに撃ってやるよ」

(<デュアーノ>く…そぉ)

「<ゼクファー>ヒャハハハハ!!!死になぁ!!!」

 ゼクファーが銃を撃つ瞬間…ゼクファーの陰から…何かを見たような気がした…その直後…何も…見えなくなってしまった…

 

 

 

 

 

 

 

 

…気がつくと、俺はどこかの部屋のベットの中にいた。

「<???>あ!おきたぁ!」

 少年の声がした。声のしたほうを見てみた。

「<???>ひさしぶりだね。デュアーノ!」

 少年は明るい顔で、俺にそう話しかけた。だが、俺はその少年を知らないと思った…だからこう言い返した。

「<デュアーノ>…すまない、お前の事はよくわからないんだが…」

「<少年>僕だよ!アレックス!」

「<デュアーノ>アレックス…?」

「<アレックス>あ…僕の今の名前じゃわからないか…じゃぁ前の名前を言うよ、『ポポイ』だよ。」

「<デュアーノ>…ポポイ、お前がか?」

 ポポイは今から398年前に発見されたロボットの名前で、かつての仲間達と一緒に旅をした奴の一人だ…だが、気づかないのも無理はなかった。その時の姿は二頭身の小さな機械人形であったのだが…今あった時の姿はまるで人間の子供そっくりだった…

「<アレックス>うん!あ、そうだ。ここのギルドのマスターとエルザさん達に伝えなきゃ!」

 そういって、俺になにがおこっているのか聞く暇もあたえず、ポポイ…いやアレックスは部屋から勢いよく出ていった…

 

 

「<デュアーノ>くっ…」

 急に激痛がはしった…ゼクファーが剣で突き刺した腹の所だ…その時、一人の…バンダナを頭に被せた青年が入ってきた。青年は俺に向かって歩きながらこういった。

「<青年>おいおい、まだ傷口がふさがりきれてねーってのに…あまり動こうとすんなよ。」

 青年はスープを手にもっている…どうやら俺に飲ませるためにつくったスープらしい…

「<デュアーノ>お前は…誰だ?」

「<青年>ああ、俺の名はペイル、ここのギルドのマスターだ。…それにしても…あいつは階段から転げおちるとは…我を忘れるぐらいお前との再会が嬉しかったんだろうな。」

…あいつとはおそらくアレックスの事だろう、

俺は…その事に気付いていなかったのだが…

「<デュアーノ>……聞きたいことがあるんだが…」

「<ペイル>ああ、別にかまわねーぜ。」

「<デュアーノ>俺は…どこに倒れていた?」

「<ペイル>…そうだな…近くの森の所でアレックス達が見つけたのたっていっていたな、そん時のお前の怪我……すぐ死ぬかもしれねぇってほどの重傷だったのにさぁ、発見されてから7日間でそこまで治るとは…」

そのペイルの言葉は…俺にとって…『サテライト・ブラスター』の威力を意味する言葉にもなっていた…

 フェイオル城の一番近くにある森でも、かなりの距離がある…そこまで吹き飛ばされたという意味にもなるわけだ…そして…一度だけの射撃じゃなかったとしても…死にかけるほどのダメージをうけていたことになる…

 …それにしても…なぜゼクファーは俺にトドメを刺さなかったのだろうか?…サテライト・ブラスターの威力だけで俺が死んだのを確信してしまったのだろうか?それとも…吹き飛ばした後、俺を探したが、見つける事ができなかったのだろうか?

「<ペイル>どうかしたのか?」

「<デュアーノ>…いや…なんでもない。」

 …ペンダントに手を触れた…

「<ペイル>そういやぁ…俺も聞きてぇことがあったんだ。そのペンダントは一体何がはいっているんだ?」

 …その中身を言う訳にはいかなかった。俺は…その事は偽ることにした。

「<デュアーノ>…仲間の形見だ…特殊な方法を使わなければ開ける事はできん…開け方は俺も知らないがな…」

「<ペイル>そうか…まあスープはこのテーブルに置いとくからゆっくり休んどけよ!」

そういってペイルは出ていった…

 

…夜…アレックス達はこのギルドから出て行き旅を続けることなったらしい。

俺は傷口がふさがっていなかったため…大事をとってベットの中で休んでいた。

 …翌日の早朝、傷が完全に治った俺は、ペイルに依頼を渡すためにギルドの中央にある酒場に行った、その時、アレックスの声が聞こえた。

「<アレックス>やっほー!!!傷治ったのかーい!?」

 アレックスの声のしたほうへと向いた。そこには旅立ったはずのアレックスがいた。

「<デュアーノ>アレックス?…たしかお前は旅立ったはず…」

 その時、ペイルが酒場のカウンターから現れこういった。

「<ペイル>ああ、デュアーノ。こいつはお前に力をかしたいといって、パーティから一旦外れたんだぜ。」

 「<デュアーノ>それは…どういうことだ?」

俺がそう聞いたらアレックスは真剣にこういった

「<アレックス>それは、僕は前にデュアーノと一緒に戦ってきた事があるからわかるんだ…重症を負ったデュアーノを見たときは『ただ事じゃない』とおもったよ。…力を貸してあげなきゃ…だめだと僕は思ったんだ。」

「<デュアーノ>だが…」

「<アレックス>絶対に行く!デュアーノはダメだというのはわかっているんだ!でも僕…このままじゃ…デュアーノだけでたたかうとしたら…絶対に死んじゃうよ!」

<デュアーノ>…アレックス…わかった。仲間に加えろといいたいんだな」

「<アレックス>うん。…ってことは入れてくれるのかい!?」

「<デュアーノ>まあ…そういうことだ。」

アレックスは喜びの行動なのか両腕を上下に振りつつこういた。

「<アレックス>…っわぁーーーーい!!!ありがとーーー!!!」

うるさい声だ。おそらく、ギルド内の宿の人はいいかげんおきるかもしれないというのに。

その時、ペイルがアレックスの口をふさぎ、俺に向けてこういった。
「<ペイル>この依頼はすぐに終わりそうだぜ。俺はその事をしっているからな。」

そして、口をふさがれたアレックスが即座に暴れ始めた。ペイルはそれをみてしばらくした後。アレックスにふさいだ手を離した。アレックスはバタバタと音をたててペイルからはなれて。
「<アレックス>酷いじゃないかぁ!」
とペイルに向けていった。
ペイルは酷いという言葉をほおっていくように、こういった、
「<ペイル>すまないが、デュアーノに話がしたい。話が終わるまでまっててくれないか?」
「<アレックス>でもぉ…。」
アレックスは何かをいいかけた。だが、次のペイルの一言で抑えられた。
「<ペイル>いいから…黙れ。」
この時のペイルの表情は…何か何度も修羅場をくぐってきた…戦士のような風格があったことを…俺はそう見えた。アレックスは何も言えず、ふくれっつらでテーブルに座った。それをペイルが確認した後、話を続けた。
「<ペイル>で、この依頼はさっきも言ったようにすぐにすみそうだぜ。すぐにな。」

 

 

 いつの間にやらペイルは俺の依頼書を盗んで…いや取って読んでいた。まあペイルに渡すつもりだったものだった分、手間が省けたが。

 

 その依頼の内容は『フェイオル城の現状とゼルバード隊の状況』と書いていた。まあ、依頼としてもゼルバード隊の依頼の部分はは裏で活動している事が多い分、マスターから「知らないな。」といわれてもしかたがないが。…ペイルはその事を知っているようだ。

「<デュアーノ>…本当なのか?」
 俺は確認してみた。
「<ペイル>そうだぜ、お前の依頼した探してほしい人物はここによくきているんだ。」
俺の依頼書には『このペンダントと似た物を所有している人物を探して欲しい』というものだ。そのペンダントとは。俺のペンダントということだ。
「<デュアーノ>…そいつはどこに住んでいるんだ?」
そうすると、ペイルはこう答えた
「<ペイル>そいつはな、フェイオル城の城下町にすんでいるぞ。」
 一時時間が止まった。そう自分の中では確信していた。
「<デュアーノ>まて…お前はフェイオル城の現状を知ってていっているのか?」
「<ペイル>もちろんだとも。フェイオル城は城下町ごと焼け落ち……ぁ゛」
いまさら気が付いたようにペイルは言った。まったく、ペイルは本当にギルドのマスターなのだろうか?と正直そう思った。
「<ペイル>ま…まぁとりあえず…いってみたらどうだ?それだけでも意味はありそうだが。」
俺は自分がため息を漏らしていたのがわかった。
「<デュアーノ>ああ、そうしておく。…アレックス行くぞ、目的地がきまった。」
その時、アレックスは少し遠くにあるテーブルの上のコップを手で回して遊んでいた。俺の声を聞いて。すぐにコップを元に戻し。
「<アレックス>うん!わかった!どこにいくの?」
こうして、俺の旅は始まった。まあ、グレイと会うのは…かなり後の話になるのだが…。俺の旅は…仲間の子孫の運命を…意思を変える事になることは…。その時。少しだけ予感はしていた。

  漆黒の魔剣士遍  了

 

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